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【予防と再発防止】
どんな病気もけがも起きる前に予防できればそれに越したことはありません。
歯のけがは一見予防とは無縁のように思われますが、いくつかの注意点をあげることができます。
歯のけがは子どもの遊びが活発化する時期に一気に増えます。
まず歩きはじめの時期では、親の注意が大切です。
転落、転倒、くわえ歩き、はしゃぎなど、できるだけ顔を打撲しないように注意しましょう。
スポーツの最中に歯のけがが起こることは多いといえます。本人の顔面に対する保護意識が大切です。
また、出来ればマウスガードの着用を勧めます。選手どうしの接触が多いスポーツクラブ活動ではマウスガードの着用の重要性を強調したいと思います。
歯並びが悪い場合、飛び出している歯ほど歯のけがを被る確立が高くなります。
したがって歯並びを矯正により改善することも歯のけがの予防につながるかもしれません。
けんかや事故などは骨折を含めた、より大きな歯のけがをもたらします。
冷静な日常生活を送りながら、歯のけがをできるだけ少なくしたいものです。

〔啓発活動の重要性〕
医学の発展とともに、歯のけがの治療方法も進歩しました。
以前であれば助からないと考えられていた抜けた歯や折れた歯が今では元通り治り、何年も審美や機能を保つことができるようになりました。
しかし、抜けた歯が助かるか助からないかは、時間との勝負です。すなわち抜けた歯の治療の最初は現場ですでに始まっているのです。
いかに早く抜けた歯を元に戻すか、または牛乳や口の中で保存できるかにかかっています。このことは日頃、地域医療を通じて歯のけがの治療法についての知識を広めていくための啓発活動の重要性を意味しています。
子どもたちを多くあずかる教育現場や外傷を扱う緊急医療機関での歯のけがについての知識を広めることが望まれます。

                               <引用文献>
                               月星光博;「知ってて良かった!歯のけが、口のけが」
                               クインテッセンス出版.1996